ご挨拶

国立大学法人 京都大学
大学院工学研究科 電子工学専攻 教授
竹内 繁樹
   
今、量子に関する産業界からの期待が高まりつつあります。国も令和2年に量子技術イノベーション戦略、令和4年に量子未来社会ビジョン、そして令和5年には量子未来産業創出戦略を策定、発信し、量子技術の社会実装を強力に推進する方針を打ち出しています。その中で、我々の研究グループは、平成30年から文部科学省の光・量子飛躍フラッグシッププログラム(Q-LEAP)の支援を得て、量子もつれ光を応用した計測デバイスの基礎基盤研究を推進して参りました。このQ-LEAPの活動で、可視の検出器で赤外分光を可能にする量子赤外分光をはじめ、いくつかの新しい光量子センシング技術が芽吹きつつあります。その芽を大樹に育て、社会実装するためには、光量子センシングの要素技術、システム開発、新しい応用などに関心のある様々な産業界の皆様と、互いに交流、協力する仕組みが必要不可欠であると思い至りました。そして、この趣旨にご賛同いただいた産業界の皆様、またアドバイザーの先生方や学内関係部局のご理解ご協力のもと、光量子センシング社会実装コンソーシアムを令和5年9月1日に発足いたしました。本コンソーシアムにより、我々の研究成果を共有し、会員間で協力することで新たなバリューチェーン、アプリケーションを創出し、新たな価値を提供いたします。皆様のなお一層のご理解とご協力を賜りますようお願い申し上げます。